マウスのクリック感の調整、異音の対策方法まとめ
色んなマウスを使ってきて、クリック感の調整方法が少し掴めてきたので書きました。
※注意
この記事には超高分子量ポリエチレンテープが何度か出てきますが、摺動部に使うので、耐久性の低いアルミテープやマスキングテープで代用することはおすすめしません。
4500円しますが、一度買えば一生使えるくらいの量があります。
0.4mmでは厚すぎた場合に使う0.13mmのものも貼っておきます。こちらはamazonにもあります。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00B4TNSJ6
また、razerはorochi v2のスイッチに接触する部分にPTFEらしき素材を使っているようなので、マウスソールやトスベールなどで代用しても良いかもしれません。ただ耐久性はやはりポリエチレンに劣るので注意してください。
感触について
クリックが重すぎる・軽すぎる、跳ね返りが強すぎる・弱すぎる
スイッチを交換、またはスイッチのバネを適度に曲げることで調整できます。
図のような構造をしているマイクロスイッチですが、バネを外し、ピンセットなどで曲がり具合を調整することでクリック感が変わります。
また、装着しなおすときは、このように両端を引っ掛けてから真ん中に力をかけると取り付けやすいです。
クリックが重過ぎる場合に限り、ボタンを少し下に曲げることで調整できます。 (「プリトラベルが長すぎる場合」を参照)
ちなみにロジクールのゲーミングマウスはスイッチに流れる電圧が低くチャタリングが起きやすいので、最初からついてる低電圧でもチャタりづらいd2fc-f-7n(g1)以外のスイッチに交換することはおすすめしません。gm8.0なんかは一瞬でチャタりました。
プリトラベルが長すぎる・短すぎる
長すぎる場合・・・ボタンを少し下に曲げて、あらかじめスイッチに少し力がかかっている状態にすれば、クリックした際のプリトラベルは短くなります。副作用としてクリックが軽くなります。
短すぎる場合・・・ロジクールのマウスのようにバネがついている場合はそのバネを取り外し、バネがついていない場合はスイッチを交換しましょう。短すぎるのと同時に、 「リリース(ボタンが戻る)時に大きな鈍い音がする」現象が見られる場合はそちらの対策を参照してください。
ポストトラベルが長すぎる・短すぎる
長すぎる場合・・・ボタンとシェルの間に超高分子量ポリエチレンテープなどを貼り、距離を減らすことで調整できます。画像はrival 3です。
短すぎる場合・・・ボタンまたはシェルをやすりで削って距離を増やすことで調整できます。
ボタンが浮いている
力が加わっていない状態でボタンがスイッチに接触していない場合、ボタンを少し下に曲げると改善します。「プリトラベルが長すぎる場合」を参照してください。
ボタンが横方向にブレる
マウスを買い替えるしかないと思います。
画像はrival 3ですが、ボタンと、ボタンを支えるトップシェルの間にある隙間を超高分子量ポリエチレンテープなどで埋めればブレは小さくなります。ただ、「ブレやすさ」は変わらないので根本的な解決にはなりません。razerのviper miniなんかはボタンがシェルに接着されてるのでテープを貼り付けることすら難しいです。
音について
リリース(ボタンが戻る)時に大きな音がする
ボタンとスイッチの間に十分な距離が取れず、ボタンが戻ったときにシェルに叩きつけられることが原因です。endgame gearのxm1の右クリックやvaxee、roccatなどのマウスによくみられる現象です。
画像はrival 3ですが、ボタンまたはトップシェルのボタンを引っ掛けている部分を少し削ることでスイッチとボタンの距離に余裕ができ、リリースの音が小さくなります。
クリックしたときに軋む音やカリカリという音がする
原因は大きく分けて3種類あります。
・ボタンとスイッチの間の動きが滑らかでない場合
画像はviper miniですが、ボタンに滑りを改善する板が貼ってある場合、軋みは改善がされていない証拠なので、超高分子量ポリエチレンテープに張り替えることで解決するかもしれません。
上のほうにあるrival 3は画像の通り、もともとボタンに何も貼られていないので、少し削ってテープを貼るか、テープの代わりに潤滑剤を塗ってみても良いでしょう。塗り過ぎは逆にネバネバとした感触と音に繋がるので注意です。
・スイッチの載った基板がクリックにより曲がったり動いたりしてしまい、ボトムシェルとの間で軋む場合
スイッチの真下にある、基板を支えるための板に潤滑剤(キーボード用のルブやシリコンオイルなど)を塗ると改善される可能性があります。高さが少し増しても大丈夫なら、代わりに両面テープを貼り付けても良いと思います。
・スイッチ自体に問題がある場合
稀ですがスイッチのアクチュエーター(上の画像の青い部品)にバリやゲートが残っている場合があります(vaxeeのマウスに載ったhuanoのpink dotで見かけたことがあります)。取り外してやすりがけをすれば改善されます。
クリックまたはリリースの際、スイッチの接点の動き以外にもガクッと(茶軸や青軸のように)いう感触がする段階がある
ボタンのスイッチに触れる面が傾いていて、クリックによりその面が回転すると、ボタンのスイッチに対する垂直抗力の方向が変わり、アクチュエーターが動いてしまうため引き起こされます。
垂直抗力の方向が変わってもアクチュエーターが動かないようにすれば大丈夫なので、下の図のように、超高分子量ポリエチレンテープなどの下に両面テープを重ねて貼ると良いでしょう。
もともと何も貼られていない場合は、ボタンを少し削ってからテープを貼り付けましょう。
以上です。また何か発見があったら更新します。質問はコメントにどうぞ。